40年間進歩しない人、「あがた森魚」

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あがた森魚という人がいるわけです。去年、40周年だったというからずいぶん古いんだが、いまだに売れてないw いつになったら売れるんだろう。高校生だったなぎら健壱が中津川フォークジャンボリーを見に行った時には、道端で自主制作レコードを並べて、泣きながら「赤色エレジー」を歌っていて仰天したというんだが、今でもさして変わらない音楽人生を送ってます。





駆け出しのアニメーター、イチロー(あがた森魚)とその恋人・サチコ(齋藤沙稚子)の同棲生活。その貧しくも悲しい青春の日々を、ミュージシャンのあがた森魚が林静一の『赤色エレジー』を原作に製作・監督・脚本・音楽・主演した1970年代伝説のインディーズ・ムービー。
彼ならではのノスタルジックでわびしく抽象的、しかしどこかポップなテイストが全面に発揮されており、その意味では実に彼らしい作品となっている。ディテールの繊細さも特筆的。泉谷しげる、大滝詠一、桃井かおりなど友情出演も豪華だが、その一方ではプロデューサーとのトラブルなどで一時製作中断に追い込まれるなど、難産の末の賜物であった。そもそも映画制作に憧れを抱いていたあがたは、以後、音楽活動と並行して、俳優や監督といった映画的活動を旺盛に行うようになっていく。

一郎と幸子の棒読み台詞、四畳半の畳部屋、サイケな人々、あがたや大滝の念仏みたいな唄...これらが絶妙にからみあって、あの時代特有の饐えた空気がよく伝わってきました。個人的には劇中挿入された林静一のアニメや絵がよくて、体が震えました^^
あ...これも是非云っておかなくては^^

劇中、大瀧詠一の名曲「びんぼう」をバックに、登場人物がなんと!ミュージカル風のダンスを繰り広げる場面があります。正常な神経の持ち主は間違いなく偏頭痛が起きます^^スゴイです。これだけでも必見!

そのリンボーダンスならぬビンボーダンスの中で、黒人のにいちゃんが踊っているのを見て、あれ?ターンテーブル回してる!と思ったのは私だけだろうか。当時ラップがあるはずが...あ...ガリ版刷ってたんだ(若者よ、ガリ版知ってるか?)。そうか...大瀧詠一の「びんぼう」は元祖ラップ、元祖ヒップホップだったのだ(驚)
この人がシアワセだったのは、「赤色エレジー」という大ヒットがあったから。赤色エレジーというのは、漫画雑誌ガロに連載されていた林静一の漫画で、貧しいアニメーターとその恋人の侘しい同棲生活を描いた大傑作です。商業的な作品ではないのでそれ自体がヒットしたとか売れたというわけじゃないんだが、無名のアニメーターだった林静一の出世作であり、カムイ伝が終わった後のガロの看板でもあった。その主題歌として作られたのがあがた森魚の「赤色エレジー」だが、勝手に作った主題歌なので、別に頼まれて作ったわけでも、タイアップでも何でもない。コレが、何故か大ヒットw 道端に座り込んで泣きながら歌っていた無名のフォークシンガーが大金を手に入れる。



そこであがた森魚が取り掛かったのは、アルバムの製作だった。彼のメジャーでのファーストアルバムがコレです。それにしても今は凄い時代で、フルアルバムがYoutubeにアップされているw トータルコンセプトで貫かれた、良いアルバムです。この時代はおいら、リアルタイムで知っている。発売日に早速購入したら、ライナーが入ってない。代わりにお詫びが入っていた。「ライナーの製作が間に合いませんでした。添付の葉書で住所を送って下さい。ライナーが出来次第、お送りします」とあった。で、送られてきたのが、オールカラーでパンフレットみたいに立派なライナーでしたw 単行本一冊分くらいの手間がかかっていたと思う。



それだけじゃない、あがた森魚は映画まで作り始める。それが、この「僕は天使ぢゃないよ」です。予告編に並ぶ「音楽」のラインナップが凄い。まぁ、蜂蜜パイはもともとあがた森魚のバックバンドだったんだから当然だが、他にも松本隆とか、大滝詠一、西岡恭蔵、友部正人などビッグネームが並ぶ。で、トドメにティン・パン・アレイです。細野晴臣、鈴木茂。何年もかかってこの映画を自主制作したものの、公開の目処すら立たずにすっかりカネを使い果たすw この映画が公開されたのは14年も経ってからですw



あがた森魚は、メジャーでデビューする前にも「蓄音盤」という自主制作レコードを作っていて、もともと自主制作志向の強い人らしい。この時代、フォークブームなどもあって、音楽を商業活動から取り戻そうという動きがあったのは確かで、その最先端だったとも言える。その中でも特にあがた森魚は、ベースに映画少年だった部分を持っている。そんな彼の、最新作がコレです。



サウンドプロデューサーにムーンライダーズの白井良明氏を迎え、あがた森魚が少年期に聴いた60年代を中心にした名画名曲群に捧げる歌唱アルバムが誕生!!あがた森魚「赤色エレジー」から40周年記念スペシャル企画。
1972年4月25日、あがた森魚は「赤色エレジー」で"ベルウッド・レコード/キング"より第一弾アーティストとしてデビュー。
時代と自分を対峙させながら毎年新作の音楽を創り、アルバム40タイトル以上 をリリース、昨年も『俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け』『誰もがエリカを愛してる』『コドモアルバム』(あがた森魚と山崎優子)の3タイトルをリリース。本年、第一弾は、あがた森魚デビュー40周年を記念し、サウンドプロデューサーに白井良明を迎え、60年代を中心にした映画音楽のカバーアルバムを制作。
あがた森魚は、幼少?少年期の多感な時代に、『海底二万哩』をはじめヌーベルヴァーグにいたる頃の映画に親しんできた。映画を通じて音楽を聞いていたあがた森魚だからこそ、あがた森魚のヴォーカルからは常に映像がたちあがってくるのかもしれない。あがた森魚のヴォーカルの原点ともいえる映画の主題歌を本人がセレクト。あがた森魚のヴォーカリストとしての魅力、レトロフューチャーな未来を感じとっていただきたい。
あがた森魚の歌というのは、意外に若い女の子に人気があったりするわけです。特に、自分も表現活動やっているアート系少女には、ヴァージンVSの時代から人気がある。コトバから映像が浮かび上がって来る

彼がデビューする前に観ていた映画、つまり、彼のその後の人生に影響を与えた主題歌を集めた訳だ。1曲を除き、全ての曲は、あがたの書き下ろした詩だ。言葉にこだわる彼だからこそ書ける詩、それが、それぞれの曲に、さらなる輝きを与えている。

60年代の映画が大半を占めているが、古臭さは感じない。それは、ムーンライダーズの白井良明によるところが大きいだろう。生のリズム隊で録られたオケは、力強いが、耳には優しい暖か味がある。その上、良明らしい大胆なアレンジが施されている。

あがたのデビュー・ヒットになった「赤色エレジー」は、良い意味でも、悪い意味でも、彼を世の中に知らしめるものになった。しかし、彼を語るには、「赤色エレジー」だけでは無理なのだ。その時々で大きく変わるサウンドは、日々進化を遂げている。ニューウェイヴやタンゴというジャンルに踏み込んでいたりもする。
そういった音楽活動部分は、彼が音楽を目指すきっかけになった「ボブ・ディラン」に近いと思える。

ちなみに「女と男のいる舗道」というのはゴタール監督のヌーベルバーグ映画です。イマドキ、ちゃんと生のリズム隊使っているとは偉い。40年経ってもやってる事が変わらないというのは素晴らしい。



「ウインター・バスストップ」というのはヴァージンVS時代の曲だと思う。ヴァージンVSというのはあがた森魚がボーカルをやっていたロックバンドで、アニメの主題歌をいくつもやっていたり、かなり活発に活動していた時期もある。代表作はうる星やつらのエンディング曲「星空サイクリング」。



ファーストアルバム収録の曲です。今でも変わらない。素晴らしい。



あがた森魚がピアノ弾いてるの、初めて見たw 初期のあがた森魚の曲はみんなAmのスリーコードで、AmのスリーコードというのはFが入らないので初心者でもギターで弾きやすい。この時代、それしか弾けないのにデビューしちゃうヤツとかいて、凄かったですw



「清怨夜曲」だが、こちらは「僕は天使ぢゃないよ」からなので、アレンジが違う。こちらは最後までタンゴのリズムです。「乙女の儚夢」では、タンゴで始まって、途中で大ブレイクしてGS風のアレンジになる。仰天のアレンジです。例によってスリーコードなので、若い頃からおいらの十八番ですw

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あがた森魚さんのタンゴアルバム、バンドネオンの豹がお勧めです。

深夜食堂で歌っていました。人柄が滲み出ていました。

フォーク時代のことはほとんど知りませんが、ヴァージンVSの頃はよく聞いた。
当時なけなしの大枚払って永遠の遠国3枚組も予約した。。。が、待っても待っても待っても出ない。やっぱ詐欺られたんか、と諦めて2年ぐらいたった頃にやっと来たw 
エンケンの奥さん?のひかるさん、キレイだったなあ。ライオンメリーとか今何やってんだろ?? プラネタリウムでまたライブやってくれたら行くわ。

ライオン・メリィさんは去年引退ライブをやってますが、出演予定の企画がまだ数件あります。公式BBS(ほぼ本人日記)によると2/21のは売切かも。
(名前欄のリンクは公式サイトの予定表。)

大ファンです。「日本少年」が最高傑作だと思います。
「函館ハーバーセンチメント」に何度涙を流したことか…。
あと、最近の「百合コレクション」もイイです。
こんなにすばらしい音楽家がマイナーなのはちょっと残念ですね。

この映画、昔のことなのでストーリーさえ憶えていないが、主人公女性が好みで愛らしかったことだけ印象に残っている。

伝説の「びんぼう」はコレだ!
http://youtu.be/MfZOv6A3_Ig

削除ありがとうございます。御礼に、あがた森魚の『百合コレクション』をYoutubeにUPしました。
お暇でしたらお聴き下さい。元ちとせとのデュオと、オリジナルバージョンです。

http://youtu.be/cFWMOawobw0

http://youtu.be/1CZ06KELrLs

何とも息苦しいほど甘酸っぱいあの頃(安っぽく言えば青春かw)が走馬灯のようにめぐっています。

『いとしの第六惑星』が、いちばん好き。「泣きながら歌う」あがた森魚といえばこの曲。
そういえば、山田長政のことを知ったのは、『日本少年』がきっかけでした。

田中美佐子さんの主演映画、
「ダイヤモンドは傷つかない」だったかで流れる
「サン・トワ・マミィ」となんかのドラマ主題歌だった
「ロンリー・ローラー」の2曲にすごく印象に残ってるなあ

『本名山縣 森雄(やまがた もりお)。函館ラ・サール高等学校卒業、明治大学中退。』
(ウィキペディア)

明治は、中退したヤツの方が出世する。
ビートたけし、コミケットの米沢も中退。
おいらが明治の学生だった時、文化祭にあがた森魚出演してたよ。

俺も当時、あがたのLP買ってから映画を楽しみにしていたんだが、実際に見れたのは20年くらい経ってから深夜のテレビ放送だった。
大好きで貴重な映画なので録画したんだけれど、それがソニーのベーターだったんで他の貴重なエロビデヲとともに機器が壊れて糸へんに冬となった。
残念~だが、これ等のあがたの名盤の数々は(LP)年に数回は聞いちょる。
他にも、泉谷が出ていた映画もあったな。

映画「僕は天使ぢゃないよ」の現場はプロデューサー陣が素人のため進行は進まないわ、その間に金のほとんどを海千山千のスタッフ達に吸い取られるわでかなり悲惨なものだったらしい。
と、むかーし読んだ映画評論という雑誌に書いてありました。確か林静一が自腹を切ってなんとか乗り切ったとか。

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