ダイビングダックブルース

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初出/2008-06-20
スリーピー・ジョン・エスティススリーピー・ジョン・エスティス
価格:¥ 2,541(税込)
発売日:1997-04-23

日本には意外にブルース好きが多いんだが、そのきっかけになったのが、この人だ。スリーピー・ジョン・エスティス。アメリカの伝説のブルースマンなんだが、戦前に多くのレコーディングを残しながら、その後、消息不明になる。ビッグ・ビル・ブルーンジーが「エステスは生きていれば87才くらいになっている」と発言したので、(実際には55才くらいだった)死亡説が信じられていたのだ。黒人の年齢というのは、黒人から見ても、よく判らないモノらしい。ところがアメリカ人には物好きが多くて、自らの音楽的ルーツを探し歩いている若者がいたわけです。で、1962年、日本ではジャニーズ事務所が創設され、ザ・ピーナッツが「ふりむかないで」を歌い、飯田久彦が「ルイジアナ・ママ」を歌い、アメリカではロックンロールがサーフィン・サウンドに進化したり、イギリスではリバプール・サウンドが始まったり、そんな時代に逆行して、失われた古いブルースマンを探し歩いていた一人が、スリーピーを探し当てる。貧困の末に盲目となった老人は、電気も水も通っていない粗末な掘建て小屋に住み、若い奥さんと5人の子供を抱え極貧状態だったという。

忘れ去られた時間の外で男は何もかも奪われていた。日々を過ごす金も、少しばかりの誇りも、愛も、視力も全て奪われていた。。。男の手からは手に馴染んだギターさえも失われていた
ある日閉ざされていた時間の重い扉は開かれた。彼の行方を捜していた一人の男がボロボロになったこの老人を探り当てた。
何もかも失ったかつてのブルーズ・マンにその男は車に積み込んであったギターをそっと手渡してみる。老人はその感触を確かめながら自分の中にかつてありまだ失われてないものの在り処を探していた
漆黒の暗闇の中で小さな灯りを頼りに落し物を探すように。。。
老人は男に1本の鉛筆となにか紐を貸してくれと頼む。ギターのペグを弄りながらか細い音で失くした音階を手繰り寄せる。。。


一曲目からねずみにわずかな食べ物さえ奪われるという内容の「RATS IN MY KITCHEN」。絞り出すようなハイトーンのボーカル。

これ、有名なエピソードです。



このアルバム、日本で大ヒットした。オリコンのアルバム・チャート入りしたというから凄いもんだw 表紙の写真がいいね。鉛筆を紐でゆわえてカポタストにしている。コレに憧れておいらもやってみたりしたんだが、根が金持ちなので似合わないw 一曲目が、このネズミに食べ物を奪われる暮らしを嘆いた曲です。このアルバムでは、おいら、ダイビングダックブルースというのが好きだ。
♪オレがアヒルで河がウイスキーだったら、
河に潜って二度と浮かんで来ないよ♪
というような脳天気な歌詞で、ブルースというと「暗い」「辛い」といった歌詞が多いように思われているんだが、こういう脳天気な歌詞も多い。



女性歌手の唄でも、♪アタシの乳首はこんなに大きいのよ♪おっぱい欲しいの? 坊や♪みたいな卑猥な歌詞もある。エドはるみかよw もともと下世話な音楽なのだ。で、1974年にスリーピーは来日している。おいらも見に行った。第一回ブルースフェスティバル。それを契機に伝説のブルースマンが続々と来日して良い時代だった。おいらの知人で某出版社の編集局長がいるんだが、偶然にも、同じコンサートに行っていた事が判明して驚いたりするんだけどね。おいら世代のブルース好きは、みんなこのフェスティバルでブルースに魅せられた連中だ。で、エスティスは1976年にも来日している。

ブルース・イズ・ア・ライブ ブルース・イズ・ア・ライブ
価格:¥ 2,447(税込)
発売日:1995-02-25

↑コレがライブ版です。指笛ピーピー吹いてるヤツがいたら、それ、おいらです。憂歌団と共演したんだが、爺さん、死ぬ直前で、もうボロボロで、途中で歌えなくなってしまった。相棒のハミー・ニクソンというハモニカ吹きがいるんだが、仕方ないので、エスティスのギターに合わせて相棒が唄ったね。ハミー・ニクソンの歌を聴いたことがある人は少ないはずだ。ハミー・ニクソンは子供の頃からエスティスの相棒やっていて、とても気のいい人です。休日にはボランティア活動やってるとか言ってたな。

エスティスは、このコンサートのあと、ほどなくして亡くなった。死んだ時も貧乏で、お墓が作れなかったという話もある。その時、エスティスによってホンモノのブルース魂を教えられた日本のファンたちが募金活動をしてお墓を作ってやったというエピソードもあります。で、この人の動画というのも、かろうじて残されています。



黙って聞き入っている黒いブルース犬がいい感じです。で、話はサブプライムローンとニューオリンズ大洪水なんだが。

すいませんね、いきなり話が変わって。で、たまたま日本人と結婚して日本で仕事をしているアメリカ南部出身のカメラマンがいるんだが、仕事がなくて食えないそうで、バイトで、なんと、ブルースハーモニカ吹いてるそうでw アメリカ南部出身だからって誰もがブルースハープ吹けるわけじゃなかろうが、そこそこ仕事になるそうだ。で、最近ではニューヨークまで出稼ぎに行くそうで、というのもNYでは現在、ブルースが大流行しているそうでw サブプラ問題で疲れ切ったアメリカ人の心には、ああいうのが沁みるらしい。「日本では日だて2万円だけど、ニューヨークでは1000ドルくれる」とかで、カメラマン仕事そっちのけで営業に励んでいるというんだが、ちなみにNYでの相方はニューオリンズから逃げ出してきたブルースマンたちだそうで、今夜もライブハウスでバドワイザー手にしたヤンキーたちが貧乏くさいブルースに聴き入って「沁みるねぇ」と癒されているそうです。

コメント(8)

ブルーズがひたひたと沁みてくるというのはご勘弁、具合の悪い境遇だ。うっかり聴こえてくるのがいやだぜ。嬉しかねえ。
たった一曲しかいいのがないってのも辛いを通り越してもはや愉快だ。
ブッカ・ホワイトのパナマ・リミテイッドだっけ?とかロバート・ナイトホークのアンナ・リー・ブルーズとか。後者、いいよなあ。

御茶ノ水のディスク・ユニオンはまだあるかしら。
学生時代、「ブルースに詳しい人いますか?」って店の人に尋ねたところ、「はい」と何やらカウンターの中のボタン押したら、別の店員が出てきたw「これこれ、こんな感じのやつがいいんすけど」ってリクエスとして、エルモア・ジェイムスとハウンドドッグ・テイラーを教えてくれました。


ブルースと葉っぱは絶対に切り離せません。聞いてみてください。

Weed Head Woman by Champion Jack Dupree
http://www.youtube.com/watch?v=_Ge5IgTHBDk

http://www.youtube.com/watch?v=rJW9lJDwl_w
あったあった驚いた アンナ・リー・ブルース
これでついふらふらと 
撓って撓むエレクトリック黎明期のギター ちょっと艶の潜む重心のひくい声

http://www.youtube.com/watch?v=j2y34Vnx3C4
このブッカ・ホワイトみてると、どういう楽しみ方をされていたのか察しが付くね。曲名がjerry rollなんだもん。

カッコいいエントリーですね!

乙        オツです       

最近だと、どブルースじゃないけど、こんなかっこいいバンドもいます。
Hazmat Modine - Bahamut
http://www.youtube.com/watch?v=CP3e0phtDM0

アンナ・リーは、ロバート・ジョンソンの義理の息子である、ロバート・ロックウッドJr,が日本公演でやったのが良かったな。ライブ盤も出たけど、客席でピーピー指笛吹いているのがおいらですw

それは第一回ブルースフェステイバル?
遅ればせ第二回に行った。芝の郵便貯金ホールだったでしょうか。
ハープがでしゃばり過ぎてカリカリした。そこにも指笛吹く奴がいて元気なやっちゃなあwあそこまで開放されたいわwwwと。
豆電球風星空状態の背景舞台が記憶に残ります。

東急池上線旗の台駅前のおでんの屋台で聴いてたロバート・ジョンソンとニール・ヤング。

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